ネクストエンジンは、受注と理論在庫をまとめる仕組みとして残し、ピッキングから配送までは倉庫の契約として別に見るのが、荷主の最初の切り分けです。
最終更新: 2026年10月
複数モールに出したあと、画面の在庫と棚の数がずれ、売り越しや欠品表示に困っている方は多いはずです。本記事を読めば、月額に倉庫作業が入らないこと、件数の帯ごとの単価、在庫を戻す経路、委託前に倉庫へ渡す確認項目が決まります。料金は表にまとめ、導入社数の話では倉庫を選びません。画面の仕事と倉庫の仕事の境界は、役割の分け方を先に合わせておくと読みやすくなります。
ネクストエンジンとは何か(OMSであり倉庫ではない)
用語の解説
ネクストエンジン
ネクストエンジンとは、複数のECモールとカートの受注・在庫・商品情報をまとめて処理するクラウド型のOMSです。倉庫の棚卸や配送そのものは行わず、出荷指示と在庫数の受け渡しで倉庫やWMSとつながります。
荷主が契約するのは受注処理の仕組みであって、発送代行ではありません。モールごとの画面を人が更新している限り、売れた数と残数の差が先に開くので、受注と理論在庫を一つに置く意味はあります。HameeがECの現場から作り、2008年に提供を始め、2026年4月末の自社調べでは導入6,764社、利用店舗5.6万店、年間の受注処理1.58億件、流通総額1.3兆円です。この数字は処理の広さであり、出荷の正確さではありません。画面で終わる仕事は受注の確認、商品登録、送り状システムとの接続、拠点への引当です。段ボールを閉じて運送会社へ渡す仕事は、自社の作業台か委託倉庫に残ります。導入した月に、発送の見積を別で取ってください。

荷主が混同しやすい3つの言葉
- OMS:受注を集め、どの店舗に何個売れるかを理論在庫で制御する層。ネクストエンジンはここです。
- WMS:倉庫の棚・ピッキング・検品・出荷実績を記録する層。委託先か自社倉庫が持ちます。
- 発送代行・フルフィルメント:入庫から配送までの作業と送料の契約。システムの月額とは別の請求です。
導入社数で倉庫を選ばない
流通総額が大きいことと、自社の出荷指示がその倉庫で読めることは別です。製品の知名度で委託先を決めると、ファイルの列が合わず、理論在庫だけが先に動きます。先に分けるのは、欲しいのが画面の一元化なのか、床の作業の外部化なのかです。
ネクストエンジンの料金は何に対する費用か
月額は、出荷した件数ではなく、その月に取り込んだ受注の件数に対するシステム利用料です。倉庫の保管・ピッキング・送料は1円も入りません。見積の最初の行は本体、次が年間の保守、その次が有料アプリです。取り込んだ受注が200件までなら、本体は3,000円(税抜)で足ります。超えた分は帯ごとに単価が下がるので、全件を同じ単価で掛けないでください。キャンセルになった注文も、過去注文の取り込みも、取り込んだ時点で件数に乗ります。出荷完了の件数で数えると、請求より少なく見えます。初期費用はかかりません。店舗数と登録商品数を増やしても、本体への追加はありません。

| 取り込んだ件数の帯 | その帯の1件あたり(税抜) | 見積での読み方 |
|---|---|---|
| 1〜200件 | 基本料金に含む | この帯の月額は3,000円。超えた分から下の行を足す |
| 201〜400件 | 35円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 401〜1,000件 | 30円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 1,001〜3,000件 | 25円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 3,001〜5,000件 | 20円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 5,001〜7,000件 | 15円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 7,001〜10,000件 | 10円 | 超えた件数だけこの単価 |
| 10,001件〜 | 5円 | 超えた件数だけこの単価 |
自社の件数が表のあいだにあるときは、超えた帯だけを足して検算してください。商品登録だけを使う月は、基本料金の行で足ります。
年間保守と有料アプリは本体に含まれるか
含まれません。契約から1年を過ぎたあと、毎年の契約月に前年分の保守が別請求になります。有料アプリは、そのアプリを入れた月だけ別です。この2行を本体の月額に混ぜると、倉庫見積と足し合わせた総額が崩れます。
| 科目 | 発生するタイミング | 金額(税抜) | 本体の月額に含まれるか |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 契約時 | 0円 | かからない |
| 年間保守 | 契約の1年後から、毎年の契約月 | 15,000円 | 含まない |
| 有料アプリ | そのアプリを使い始めた月 | アプリごと | 含まない |
| 店舗・商品の追加 | 出店やSKUが増えたとき | 0円 | 本体への追加なし |
| 独自アプリの通信 | 自社開発でAPIを独自利用するとき | 回数とデータ量による | 含まない |
| 保管・出荷・送料 | 倉庫が作業するたび | 見積 | 含まない |
400件の行は、超えた200件だけを足す
月額の例は次の表にまとめます。読み方は、基本の3,000円に、帯を超えた件数とその単価の積を足す、です。表の内訳列と、上の単価表が一致しないときは、単価表を正にして検算し直してください。
なぜシステム料金だけでは物流の総額が見えないのか
システムの月額だけを物流費と呼ぶと、総額の大きい行を見落とします。保管・ピッキング・梱包・送料は委託倉庫との別契約です。ネクストエンジンは注文と数量を処理しますが、預かる坪数も、1出荷の作業も、運賃も請求しません。比較の目的は、どちらのシステムが安いかではなく、システム利用料と倉庫作業費を同じ表の別の列に置くことです。以下の月額は料金ページの計算例です。倉庫の円額は、商品サイズ・同梱・返品が決まるまで書きません。試算例(モデルケース)として、荷主がどの行を見るかを右端に置いています。自社の取込件数がどの行に近いかを先に決め、倉庫の見積はその行の出荷量で取ってください。行が違う見積は、総額の比較になりません。
| 月間の取込受注 | 本体(税抜) | 内訳 | 倉庫の保管・出荷・送料 | 荷主の見方 |
|---|---|---|---|---|
| 200件 | 3,000円 | 基本料金のみ | 別契約(見積) | 梱包が自社の時間に収まるなら、委託は急がない |
| 400件 | 10,000円 | 3,000円+200件×35円 | 別契約(見積) | システム料はまだ小さい。在庫のずれと作業時間で判断する |
| 1,000件 | 28,000円 | 上に600件×30円を足す | 別契約(見積) | 総額の大きい行は倉庫側に残りやすい |
| 3,000件 | 78,000円 | 上に2,000件×25円を足す | 別契約(見積) | 従量は増えても、倉庫と送料は別科目のまま |
月200件と月1,000件で総額の主役が変わる理由
200件の行では、システムの金額より、誰が梱包しているかの時間の方が総額を動かします。1,000件の行まで本体は上がりますが、出荷のたびに倉庫作業と送料が乗るため、大きい行は倉庫側に残ります。見積書の行名が、本体・保守・アプリ・倉庫作業で分かれているかを確認してください。その行を、保管料と出荷料の内訳と並べると、混ぜている見積が分かります。
在庫連携APIで倉庫と同期するデータは何か
倉庫と往復させるのは、出荷指示、入庫と出荷の実績、その結果の在庫数です。荷主が一つのボタンで呼ぶ単体のAPIではありません。経路は三つです。対応する倉庫はアプリ、それ以外はCSV、必要なら公開されているAPIでアプリを作ります。自動で在庫が戻る倉庫と、担当者がボタンを押すかCSVを取り込む倉庫が分かれています。2025年3月時点の区分は下の表です。時点が古いので、契約の前に倉庫一覧で変わっていないかを見てください。名前が自動側にあっても、返品やセット品がアプリの範囲外ならCSVに落ちます。落ちた分を誰が取り込むかを決めないまま本番に入ると、日中の売り越しが荷主の在庫責任として残ります。担当者の名前まで書いてください。

| 在庫の戻り方 | 2025年3月時点の例 | 荷主が確認すること |
|---|---|---|
| 自動で画面へ戻る | ロジザードZERO、AmazonのFBAマルチチャネル、オープンロジ、ロジクラ、THOMAS、AiR Logi、STOCKCREW | 返品とセット品も自動か。対象外はCSVに落ちていないか |
| ボタンかCSV | 楽天スーパーロジスティクス、Yahoo!ロジスティクス、スクロール360、LogiMoPro、はぴロジ | 誰が、どの時刻に取り込むか。日次なら日中の売り越しが残る |
| 一覧に名前が無い | CSVの受け渡し、APIで作ったアプリ、倉庫担当者の画面ログイン | 三つのデータ(指示・入庫・返品)がどの経路かを書面にする |
自動の倉庫と、CSVやボタンの倉庫では、同じ連携でも在庫が戻る間隔が違います。
- モールの受注
- ネクストエンジン
理論在庫の引当 - 出荷指示
アプリまたはCSV - 倉庫のピッキング
- 出荷実績と在庫数
を画面へ戻す
一覧に無い倉庫でも委託はできる
一覧に名前が無いことは、委託できない理由になりません。CSVで指示と実績を渡す方法と、APIで連携アプリを作る方法と、倉庫担当者用のユーザーを追加して画面で作業する方法があります。ログインできることと、そのユーザーが在庫数を直接書き換えてよいかは別の権限です。手修正を倉庫に許すと、正本が二つになります。独自にAPIを使うアプリは、リクエスト回数と通信データ量で利用料が別になります。標準の倉庫アプリを使うなら、そのアプリの提供元が料金を案内します。負担者を見積の行に入れてください。
聞くのは自動かどうかではなく、三つのデータの経路
出荷指示、入庫、返品の三つが、アプリかCSVか画面のどれで着くかを聞いてください。一つでも「追って連絡」のままなら、理論在庫の正本は決まっていません。
理論在庫と倉庫の実在庫がずれるのはなぜか
ずれは故障とは限りません。画面がモールへ見せる数量と、棚の数量の更新時刻が違うときに起きます。受注の引当は画面で先に減っても、入庫・返品・不良・未出荷は倉庫から戻るまで実物は動きません。自動の倉庫でも、廃棄、撮影用の抜き取り、セット組立がファイルに乗らなければ差は残ります。CSVの倉庫では、取り込んだ夜までモールの在庫が前日のままです。差が出た日は、同じ時刻の棚卸数量と、画面のフリー在庫を突き合わせてください。戻すデータに含めていない出来事が、ずれの原因であることが多いです。廃棄と撮影用の抜き取りを、戻すファイルの対象に入れるかを、委託の初日に決めてください。入れない出来事は、在庫差の説明が荷主に残ります。
キャンセルした注文は料金と在庫のどちらに残るか
キャンセルの状態にかかわらず、契約後に取り込んだ注文は従量の件数に残ります。料金の件数と、在庫を戻したかどうかは別の処理です。在庫を戻し忘れると、請求は発生したまま売り可能数が減ったままです。在庫だけ戻して出荷指示が倉庫に残ると、キャンセル品を出荷します。在庫を戻す担当を、料金の件数とは別の行で決めてください。
正本を一つに決めてからモールへ戻す
障害の日は、モール・ネクストエンジン・倉庫の三つの数量が同時に違います。どの数量を正としてモールへ書き戻すかを、事前に一文で決めていないと、担当者がそれぞれの画面を手で直し、差が広がります。出荷が終わった倉庫の実績を正にし、画面経由でモールへ戻す、を初期値にしてください。予約販売や入荷待ちは、そのSKUだけ正本を変える条件を書いてください。
委託前に倉庫へ確認する在庫連携チェックリスト
委託前に倉庫へ渡す確認は、受注の渡し方、出荷実績の戻し、返品在庫、更新の間隔、障害の日の正本、の5点です。対応一覧に名前があることと、自社のセット品・同梱・返品がその経路で動くことは一致しません。料金の安さや導入社数では、売り越しの原因が残ります。自動の例に挙がる倉庫でも、アプリの範囲外はCSVに落ちます。名前が無い倉庫には、CSVかアプリか画面ログインのどれで受けるかを先に書いてもらいます。この5点を一文ずつにしたメモを、見積の添付にしてください。作業費とシステム料が同じ行に混ざりにくくなります。5点のうち一つでも空欄なら、その見積は比較に使わないでください。空欄のまま契約すると、正本が当日の担当者任せになります。
倉庫へ聞く在庫連携の5点
- 受注:出荷指示はアプリ、CSV、画面のどれで倉庫に着くか
- 実績:送り状番号と出荷完了は、どの項目名で画面へ戻るか
- 返品:返品入庫の数量は自動か、日次のCSVか
- 間隔:在庫をモールへ戻す間隔は、分単位か、担当者がボタンを押したときか
- 正本:通信が止まった日、モールへ書き戻す数量は倉庫の実績か、画面の理論在庫か
委託倉庫の担当者は画面に入れるか
倉庫スタッフ用のユーザーを追加すれば、画面へログインできます。ログインできることと、在庫数を直接書き換えてよいかは別です。倉庫担当者が理論在庫を手修正できる状態は、正本が二つある状態です。権限は出荷実績の登録までに絞り、在庫の手修正は荷主側に残してください。
セット品と同梱指示は5点の外に置きやすい
セット品の構成変更と、チラシ同梱の開始日は、在庫数量だけでは伝わりません。備考欄に書く運用は件数が少ないうちは動きますが、月400件の行を超えると読み落としが増えます。同梱の条件をマスタで持つか、指示の列として持つかを、5点と一緒に確認してください。5点が揃ったあとも、全在庫を渡す前に、個人情報を外したダミー行で列の意味を確認してください。列を毎回手で変換する、送り状番号が戻らない、返品の反映日が未定、のどれかなら本番を止めます。少量の入庫から実績の戻りまでを通したいときは、出荷だけを先に見積もることもできます。
連携後に起きやすい失敗と、確認すべき責任分界
見立てとしては、ネクストエンジンは残し、在庫の正本を倉庫の出荷実績に固定してから、倉庫作業だけを見積もるのが先です。失敗の大半は、正本と、料金の対象が「取り込んだ受注」であることを、荷主・倉庫・モールのあいだで共有していないときに起きます。三つの画面の更新時刻が違い、担当者はそれぞれ正しい数字を見ています。従量はキャンセルを含めて取込件数に乗り、在庫の戻りは倉庫の方式次第です。この二つを同じ「連携できている」で片付けると、請求は増えているのに売り可能数が戻りません。障害の日にモールへ戻す数量を一文で決めていない状態が、売り越しの直前です。システム会社へ聞く前に、倉庫との契約メモへ正本を書いてください。未記載のまま本番件数を渡さないでください。
荷主が今週やること
- 直近1か月の取込件数を、月額の表の200件・400件・1,000件・3,000件のどの行に近いかで置き、本体・年間保守・アプリを別行で書く
- 在庫の戻りが、自動の行か、ボタンかCSVの行かを表と突き合わせる
- キャンセル時に在庫を戻す担当と、料金の件数から外せないことを同じメモに残す
- 委託を検討するなら、確認5点を付けて委託先の倉庫システムをどう評価するかと重ねて見積を取る
受注からピッキングまで一つの画面にまとめたいときだけ、受注と倉庫作業を一つの画面にまとめる場合と比べてください。この記事の判断は、ネクストエンジンを残して倉庫との往復を確認することです。解約の見積ではなく、出荷指示と実績の往復の見積を先に取ってください。ソネッティークでは、栃木県上三川町の倉庫から、受注データの渡し方と出荷実績の戻りを少量のテストで確認できます。連携アプリの有無は倉庫ごとに違うため、一覧への掲載を前提にせず、CSVを含む経路で合っているかを本番前に見ます。
複数のECモールとカートの受注と理論在庫をまとめるOMSです。ピッキングや配送は行わないので、発送は自社の作業か、倉庫との別契約です。
取り込んだ受注が200件までなら、本体は月額3,000円(税抜)です。超える月の金額、年間保守、有料アプリは本文の表で確認してください。倉庫の保管・出荷・送料は含みません。
発送代行ではありません。受注と理論在庫を扱う仕組みです。保管・ピッキング・梱包・送料は、自社で行うか、倉庫事業者と別に契約します。
出荷指示、入庫や出荷の実績、その結果の在庫数です。戻り方は倉庫によって自動と、ボタンまたはCSVに分かれます。一覧に無い倉庫はCSVか、APIで作ったアプリでつなげます。
受注の入口として使っているなら、倉庫委託と同時に解約する必要はありません。出荷指示と実績が往復できるかを先に確認し、受注からピッキングまで一つの画面にまとめたい場合だけ、別の仕組みと比べます。
受注の渡し方、出荷実績の戻し、返品在庫、更新の間隔、障害時にどちらを正本にするかの5点です。この5点を、倉庫の見積条件にしてください。
本番の前に、少量のSKUと少数件で入庫から出荷、データの戻りまでを試せます。期間の目安は1〜2週間で、商品と件数により可否は個別に案内します。
次のステップ
ネクストエンジンは残し、倉庫作業だけを見積もる
システムの月額と、保管・出荷・送料は別の行です。受注の入口が既にあるなら、解約ではなく、出荷指示と実績が往復するかを委託先に確認してください。
